ITストラテジスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験のうち、高度試験に位置付けられる国家試験です。
IT資格というと、プログラミングやネットワークなど技術的な知識を問われるイメージが強いかもしれません。
しかし、ITストラテジスト試験では、単にITの知識だけではなく、経営戦略や事業戦略とITをどのように結びつけるかという視点が重視されます。
そのため、
「ITストラテジストってどんな資格?」
「取得すると何に役立つ?」
「試験はどれくらい難しい?」
「2026年度から試験はどう変わった?」
と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ITストラテジスト試験の概要から試験内容、難易度、取得するメリットまで、これから受験を検討している方向けにわかりやすく解説します。
※本記事の試験制度に関する情報は、2026年8月23日時点のIPA公表情報をもとにしています。
ITストラテジストとは?
ITストラテジスト試験は、IPAが実施する情報処理技術者試験のうち、高度試験に位置付けられる試験です。
IPAではITストラテジストの対象者像として、企業の経営戦略に基づき、ITを活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する人材を挙げています。
つまり、ITストラテジストに求められるのは、単に「ITに詳しい人」ではありません。
経営・ビジネス上の課題を理解し、ITを使ってどう解決するかを考える人材と捉えると分かりやすいでしょう。
ITコンサルタントやCIO・CTOを目指す人のほか、DX推進やIT企画などの仕事とも親和性の高い試験です。
参考:IPA「ITストラテジスト試験」
ITストラテジスト試験の試験内容
2026年度のITストラテジスト試験は、次の4科目で構成されています。
科目A-1
試験時間:50分
出題形式:多肢選択式(四肢択一)
出題数:30問(30問解答)
科目A-2
試験時間:40分
出題形式:多肢選択式(四肢択一)
出題数:25問(25問解答)
科目B-1
試験時間:90分
出題形式:記述式
出題数:3問(2問解答)
科目B-2
試験時間:120分
出題形式:論述式
出題数:2問(1問解答)
特に大きな特徴が、科目B-2の論述式試験です。
知識を暗記するだけではなく、自分の経験や想定するプロジェクトなどを題材として、設問に沿った論文を組み立てる力が求められます。
そのため、ITストラテジスト対策では知識のインプットだけでなく、記述・論述対策が重要になります。
2026年度からCBT方式へ移行
ITストラテジストをこれから受験する場合、特に注意したいのが試験制度の変更です。
2026年度から、ITストラテジストを含む高度試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。
CBT方式では、試験会場に設置されたコンピュータを使用して問題に解答します。
また、従来の
「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」
という科目名称も、
「科目A-1・科目A-2・科目B-1・科目B-2」
へ変更されています。
2026年度のITストラテジスト試験では、科目A-1・A-2と科目B-1・B-2が別の期間に実施されます。
IPAが公表している2026年度の試験日程では、科目A-1・A-2は2026年10月17日~10月27日、科目B-1・B-2は2026年11月11日~11月23日に実施される予定です。
CBT方式への移行によって試験の受け方は変わりますが、2026年度については、出題形式・出題数・試験時間に変更はありません。
なお、IPAによると、現行の試験制度は2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新試験制度へ移行する予定です。
2027年度以降に受験する場合は、試験制度の見直しに関するIPAの最新情報を確認することをおすすめします。
参考:IPA「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について」
2026年度の試験日程やCBT化による変更点については、以下の記事で詳しく解説しています。
ITストラテジストの難易度は高い?
ITストラテジストは、情報処理技術者試験の中でも高度な知識・能力が求められる試験です。
特に対策が必要になりやすいのが、記述式の科目B-1と論述式の科目B-2です。
科目Aでは知識を身につけることで対応できる問題も多い一方、科目Bでは文章を読み取り、設問の意図に沿って自分の考えを文章として表現する必要があります。
特に科目B-2では、本番になってからゼロから論文を考えるのではなく、事前にいくつかの題材を準備し、さまざまな設問に応用できるよう練習しておくことが重要です。
合格率や難しいといわれる理由、応用情報技術者試験との違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ITストラテジストの難易度は?合格率・勉強時間・難しい理由を解説
ITストラテジストを取得するメリット
ITストラテジストを取得するメリットの一つは、ITと経営の両方を意識した知識・思考力を身につけられることです。
例えば、次のような分野を目指す人とは相性が良いでしょう。
・IT企画
・DX推進
・ITコンサルタント
・システム企画
・プロジェクトの上流工程
・ITを活用した事業企画
また、資格取得そのものだけでなく、試験勉強を通じて「経営課題に対してITをどう活用するか」という視点を身につけられる点もメリットです。
技術だけではなく、より上流の仕事に関わりたい人にとって、学習する価値のある試験といえるでしょう。
ITストラテジストはどんな人におすすめ?
ITストラテジストは、特に次のような人に向いています。
・ITエンジニアから上流工程へキャリアを広げたい人
・IT企画やDX推進に関わりたい人
・ITコンサルタントを目指している人
・経営とITの両方を学びたい人
・応用情報技術者試験に合格し、さらに高度なIT資格に挑戦したい人
一方、資格を取得するだけですぐに転職や昇進が保証されるものではありません。
資格そのものだけでなく、実務経験や専門知識と組み合わせて活用することが重要です。
まとめ
ITストラテジストは、ITと経営を結びつけ、ITを活用した事業戦略や業務改革などを考えるための高度な能力を問う試験です。
単なるIT知識だけではなく、経営・事業・ITを横断して考える力が求められる点が大きな特徴です。
また、2026年度からCBT方式へ移行するなど、現在は試験制度の大きな転換期でもあります。
これからITストラテジストを目指す場合は、最新の試験制度を確認しながら、科目Aの知識対策だけでなく、科目Bの記述・論述対策を早めに進めていくことが重要です。
実際に受験を考えている方は、必要な勉強時間と具体的な勉強方法も確認しておきましょう。

