情報処理技術者試験について、
「2027年度から試験制度が変わるって本当?」
「応用情報や高度試験はなくなるの?」
「新しい試験は何ができる?」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、現在の情報処理技術者試験制度は2026年度の試験実施をもって終了し、2027年度から新しい試験制度へ移行する予定です。
今回の見直しでは、単に試験名が変わるだけではありません。
特に大きな変更点は、
・試験区分が8区分に再編される
・応用情報技術者試験や現在の高度試験が再編される
・プロフェッショナルデジタルスキル試験が新設される
・データマネジメント試験が新設される
・すべての試験区分がCBT方式になる予定
といった点です。
この記事では、2027年度から予定されている情報処理技術者試験の新制度について、現在の制度との違いや新しい試験区分をわかりやすく整理します。
※本記事は2026年8月時点でIPAが公表している情報をもとにしています。新制度のシラバスなどには現時点で「案」の内容が含まれており、今後変更される可能性があります。
IPA「試験制度の見直しについて」
- 情報処理技術者試験は2027年度からどう変わる?
- 2027年度から予定されている8つの試験区分
- ITパスポート・基本情報・情報セキュリティマネジメントは継続
- 新設される「データマネジメント試験」とは?
- 応用情報・高度試験は「プロフェッショナルデジタルスキル試験」へ再編
- プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験
- プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験
- プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験
- プロフェッショナルデジタルスキル試験の試験形式は?
- 2027年度からすべてCBT方式になる予定
- 新制度はいつから受験できる?
- 今持っている資格や合格実績はどうなる?
- 高度試験の科目免除は新制度に引き継がれる?
- 2027年度の新制度に向けて今から勉強するべき?
- 2026年度の現行試験を受けるか、新制度を待つか
- まとめ|2027年度は情報処理技術者試験の大きな転換点
情報処理技術者試験は2027年度からどう変わる?
2027年度から、情報処理技術者試験の試験区分体系が大きく見直される予定です。
現行制度では、
・ITパスポート
・情報セキュリティマネジメント
・基本情報技術者
・応用情報技術者
・ITストラテジスト
・プロジェクトマネージャ
・ネットワークスペシャリスト
など、複数の高度試験を含む区分があります。
新制度ではこれらを再編し、情報処理安全確保支援士試験を含めて8つの試験区分で実施する予定です。
特に大きいのが、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化して、
「プロフェッショナルデジタルスキル試験」
という新しい試験体系に再編する点です。
2027年度改正のポイント
今ある資格を単純に名称変更するのではなく、デジタル・AI時代に必要なスキルに合わせて試験体系そのものを再構成する見直しです。
2027年度から予定されている8つの試験区分
IPAが2026年3月31日時点で公表している案では、新制度は次の8区分で構成される予定です。
・ITパスポート試験
・情報セキュリティマネジメント試験
・基本情報技術者試験
・データマネジメント試験(仮称)
・プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)
・プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)
・プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)
・情報処理安全確保支援士試験
IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」
ここから、それぞれどのような試験になる予定なのか見ていきます。
ITパスポート・基本情報・情報セキュリティマネジメントは継続
まず、
・ITパスポート試験
・情報セキュリティマネジメント試験
・基本情報技術者試験
は、2027年度以降も継続される予定です。
ただし、試験内容は現在とまったく同じではありません。
例えばITパスポートでは、デジタルリテラシーだけでなく、DXに必要なマインド・スタンスなども含めた内容への見直しが検討されています。
また、新制度全体ではAI時代に対応したセキュリティや倫理などの内容を強化する方針も示されています。
つまり、現在の資格名が残る試験についても、デジタル・AI時代を意識した出題内容へ更新されていくと考えた方がよいでしょう。
新設される「データマネジメント試験」とは?
2027年度には、
データマネジメント試験(仮称)
が新設される予定です。
IPAはこの試験について、データ・AIを効果的かつ効率的に利活用するために必要な、データマネジメントの基本的な知識・技能を評価する試験としています。
予定されている試験形式は、
・科目Aと科目Bを合わせて120分
・科目A:48問
・科目B:12問
です。
データやAIの重要性が高まる中で、
「データサイエンティストほど専門的ではないものの、仕事でデータを扱うための基礎力を身につけたい」
という層にも関係する試験になりそうです。
応用情報・高度試験は「プロフェッショナルデジタルスキル試験」へ再編
今回の制度変更で最も大きなポイントの一つが、応用情報技術者試験と高度試験の再編です。
IPAは、現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで、
プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)
を新設する予定です。
この試験は、さらに次の3領域に分かれます。
・マネジメント
・データ・AI
・システム
現在のように、
「ITストラテジスト」
「プロジェクトマネージャ」
「データベーススペシャリスト」
など細かい試験区分ごとに受験する体系とは、大きく異なる形になります。
プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験
マネジメント試験では、
組織やビジネスにおいて、データやデジタル技術を利活用するプロセスをマネジメントする専門的な知識・技能
を評価する予定です。
現在の高度試験でいえば、
・ITストラテジスト
・プロジェクトマネージャ
・ITサービスマネージャ
・システム監査
などで扱われてきた領域との関係が注目されます。
ただし、これらの試験が単純にマネジメント試験へ名称変更されるわけではありません。
特にITストラテジストについては、以下の記事で詳しく整理しています。
ITストラテジストは2027年度に廃止?新試験制度と今後どうなるかを解説
プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験
データ・AI試験は、
組織やビジネスのデータドリブンな活動を支える基盤を構築し、データを整備する専門的な知識・技能
を評価する試験として新設予定です。
AIやデータ分析そのものだけでなく、企業がデータを活用するための基盤やデータ整備まで含む点が特徴です。
データ・AI分野は現在急速に重要性が高まっているため、新制度でも独立した専門領域として位置づけられています。
プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験
システム試験では、
デジタル技術を適用するシステムの要件定義・アーキテクチャ設計・開発・運用を主導する専門的な知識・技能
を評価する予定です。
現在の高度試験では、
・システムアーキテクト
・ネットワークスペシャリスト
・データベーススペシャリスト
など複数の専門試験があります。
新制度では、このようなシステム領域の専門スキルをより大きな枠組みで評価する方向に変わります。
プロフェッショナルデジタルスキル試験の試験形式は?
マネジメント・データAI・システムの3試験では、現時点で共通して、
科目A-1:90分・60問
科目A-2+科目B:120分
科目A-2:23問
科目B:12問
という構成が予定されています。
現在の高度試験のように、午前・午後に分かれて長時間受験する形式とはかなり変わります。
また、新制度ではすべての試験区分をCBT方式で実施する予定です。
現在のITパスポートや基本情報だけでなく、専門試験についてもパソコンを使って受験する形になります。
2027年度からすべてCBT方式になる予定
新制度では、すべての試験区分をCBT方式で実施する予定です。
2026年度にはすでに応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がCBT方式へ移行します。
そして2027年度からは新制度の各試験もCBT方式で実施される予定です。
そのため、今後のIPA試験では、
紙に長時間手書きする試験から、PC上で回答する試験へ
という流れがより明確になります。
新制度はいつから受験できる?
すべての新試験が2027年4月から同時に始まる予定ではありません。
現時点では、
2027年度春頃
・ITパスポート
・情報セキュリティマネジメント
・基本情報技術者
2027年度夏頃~秋頃
・データマネジメント
・プロフェッショナルデジタルスキル各試験
・情報処理安全確保支援士
というスケジュールが予定されています。
なお、データマネジメント試験やプロフェッショナルデジタルスキル試験の詳しい実施時期・期間については、現時点では検討中です。
そのため、2027年度に受験する予定の人は、今後公表されるIPAの最新情報を確認する必要があります。
今持っている資格や合格実績はどうなる?
制度変更で不安になりやすいのが、
「今まで取った資格は意味がなくなるの?」
という点です。
IPAは、今後構築する情報基盤で、
・2027年度以降の新試験
・2026年度までの現行試験
・過去の合格情報
を登録・活用できるようにすると説明しています。
つまり、制度が変わったからといって、これまでの情報処理技術者試験の合格実績が消えるわけではありません。
またIPA自身も、2026年度の現行試験について引き続き積極的な受験を呼びかけています。
制度変更=今の資格を取る意味がない、ではない
2026年度までの合格実績も、新制度移行後にスキル・キャリア情報として活用できる方向で検討されています。
高度試験の科目免除は新制度に引き継がれる?
現在の高度試験では、一定の条件を満たすと共通知識を問う科目A-1を免除できます。
新制度のプロフェッショナルデジタルスキル試験についても、現行高度試験と同等の免除制度を設けることが検討されています。
さらに経過措置として、現行制度で一部科目の免除要件を満たした場合、一定期間、新制度でも一部科目を免除する方向が示されています。
ただし、具体的な経過措置の詳細は今後の正式発表を確認する必要があります。
IPA「科目A-1試験免除」
2027年度の新制度に向けて今から勉強するべき?
2027年度の新試験を受ける予定だからといって、正式制度が決まるまで何も勉強できないわけではありません。
例えば、
・ITの基礎知識
・セキュリティ
・経営やマネジメント
・データ・AI
・システム開発
など、新制度でも必要になる基礎分野はあります。
一方で、プロフェッショナルデジタルスキル試験などについては、まだシラバス案の段階です。
そのため今は、
基礎知識を身につける
+
IPAの正式情報を待つ
くらいのスタンスがよいでしょう。
IPAはすでに新制度のサンプル問題やシラバス案を公開しています。
IPA「新試験制度のシラバス案について」
2026年度の現行試験を受けるか、新制度を待つか
現在すでにITストラテジストなどの高度試験を勉強している人なら、
「2027年度まで待った方がいいのでは?」
と考えるかもしれません。
ただし、2026年度の現行試験を受験できるのであれば、制度変更だけを理由に受験をやめる必要はありません。
特に、
・すでに受験する資格を決めている
・勉強を始めている
・2026年度試験に間に合う
という人なら、そのまま現行試験を受験する選択肢があります。
一方、
・まだ受験資格を決めていない
・2026年度試験までに十分な勉強時間を取れない
という人なら、新制度を見ながら2027年度以降の受験を考えてもよいでしょう。
ITストラテジストについては、2027年度以降どうなるのかを以下の記事で詳しく解説しています。
ITストラテジストは2027年度に廃止?新試験制度と今後どうなるかを解説
まとめ|2027年度は情報処理技術者試験の大きな転換点
2027年度から、情報処理技術者試験は新しい制度へ移行する予定です。
特に大きな変更点は、
・試験体系が8区分に再編される
・データマネジメント試験が新設される
・応用情報・高度試験がプロフェッショナルデジタルスキル試験へ再編される
・マネジメント、データ・AI、システムの3領域が設けられる
・すべての試験区分がCBT方式になる
という点です。
一方で、2026年度までの現行試験の合格実績が無意味になるわけではありません。
すでに2026年度の資格取得を目指している人はそのまま勉強を続け、2027年度以降に受験する人は新制度の正式情報を確認していくのがよいでしょう。
なお、新制度のシラバスは現時点で「案」のものもあり、今後変更される可能性があります。
受験を検討する際は、IPA公式サイトの最新情報も確認してください。
IPA「試験制度の見直しについて」


