ITストラテジストの難易度は?合格率・勉強時間・難しい理由を解説【2026年版】

ITストラテジスト試験の難易度を解説するアイキャッチ画像。合格率・勉強時間・難しい理由を紹介。 IT資格

ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験の中でも難易度の高い「高度試験」の一つです。

「ITストラテジストに興味はあるけれど、どのくらい難しいの?」

「応用情報技術者試験の次に目指せるレベル?」

「合格するにはどのくらい勉強すればいい?」

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

2025年度のITストラテジスト試験の合格率は15.0%でした。

ただし、ITストラテジストの難しさは合格率だけでは分かりません。

ITに関する知識に加えて、経営や事業の視点、問題文を読み取る力、記述力、さらに論述力まで求められることが、この試験の大きな特徴です。

この記事では、ITストラテジスト試験の合格率や難易度、難しいといわれる理由、勉強時間の考え方、応用情報技術者試験との違いについて解説します。

※試験制度に関する内容は、2026年8月23日時点のIPA公表情報をもとにしています。

2026年度からのCBT化や試験日程については、「2026年度ITストラテジスト試験はどう変わる?CBT化・試験日程・変更点を解説」で詳しく解説しています。

2026年度ITストラテジスト試験の変更点

ITストラテジスト試験の難易度は高い

結論からいうと、ITストラテジストは難易度の高い試験です。

IPAでは、ITストラテジストを情報処理技術者試験の「高度試験」の一つとして実施しています。

対象となるのは、経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを活用した事業革新や業務改革などを企画・推進する人材です。

そのため、単純にITの知識を覚えればよい試験ではありません。

2026年度の試験は、次の4科目で構成されます。

科目A-1:多肢選択式

科目A-2:多肢選択式

科目B-1:記述式

科目B-2:論述式

つまり、選択式の知識問題だけではなく、文章で答える記述問題や、自分の経験・考えをもとに答案を組み立てる論述問題にも対応する必要があります。

このように、求められる能力の種類が多いことが、ITストラテジストの難易度を高くしている理由の一つです。

試験の概要そのものを確認したい方は、「ITストラテジストとは?試験内容・難易度・取得するメリットをわかりやすく解説」も参考にしてください。

ITストラテジストとは?

ITストラテジストの合格率は近年15%前後

ITストラテジストの難易度を考えるうえで、一つの目安になるのが合格率です。

IPAが公表している直近3年の合格率は、次のとおりです。

2023年度:15.5%

2024年度:15.8%

2025年度:15.0%

直近3年間はいずれも15%台で推移しています。

2025年度については、応募者7,889人、受験者5,586人、合格者836人、合格率15.0%でした。

受験者のおよそ6~7人に1人が合格する計算です。

IPA「令和7年度春期情報処理技術者試験の合格発表」

もちろん、合格率だけで資格の難易度を判断することはできません。

ITストラテジストには年齢や学歴、実務経験などの受験資格がないため、受験者の前提知識や経験には幅があります。

一方で、受験者にはすでにIT分野で実務経験を積んでいる人や、他の情報処理技術者試験に合格している人も含まれます。

そうした受験者の中で合格率が15%前後で推移していることを考えると、十分な対策が必要な試験と考えた方がよいでしょう。

ITストラテジストが難しい4つの理由

ITストラテジストの難しさは、単純に「ITの問題が難しい」というだけではありません。

特に大きいのは、次の4つです。

1.ITと経営の両方を考える必要がある

ITストラテジストという名前から、ITに詳しければ有利な試験というイメージを持つかもしれません。

もちろんIT知識は必要ですが、それだけでは十分ではありません。

ITストラテジストでは、経営戦略や事業戦略を踏まえて、ITをどのように活用するかという視点が重要になります。

例えば、

「どのシステムを導入するか」

だけではなく、

「そのシステムを導入することで、事業上のどのような課題を解決できるのか」

「企業にどのような価値を生み出せるのか」

まで考える必要があります。

そのため、技術分野に詳しい人でも、経営や事業の視点に慣れていなければ難しく感じる可能性があります。

反対に、経営や業務に詳しくても、ITの基礎知識が不足していれば科目Aなどで苦戦するでしょう。

ITと経営を横断して考える必要があることが、ITストラテジストの大きな特徴です。

2.科目B-1では読解力と記述力が必要

科目B-1は記述式です。

問題文に書かれている企業や事業の状況を読み取り、設問に対する答えを文章で記述します。

ここで重要なのは、自分の知識を自由に書くことではありません。

問題文の中から必要な情報を見つけ、

「この設問では何を聞かれているのか」

を正確に把握して答える必要があります。

知識があっても、設問の意図とずれた回答をしてしまえば得点につながりにくくなります。

そのため、科目B-1では知識のインプットだけではなく、過去問などを使って問題文の読み方や回答の組み立て方に慣れることが重要です。

3.科目B-2では論述力が求められる

ITストラテジストで特に特徴的なのが、科目B-2の論述式試験です。

科目B-2では、設問に沿って、自分の経験や想定した事例などをもとに長文の答案を作成します。

単に専門用語を多く書けばよいわけではありません。

例えば、

どのような事業・業務だったのか

どのような課題があったのか

なぜその施策を選んだのか

どのようにITを活用したのか

結果や評価はどうだったのか

といった内容を、一貫性のある文章としてまとめる必要があります。

そのため、IT知識が豊富な人でも、論述問題に慣れていなければ苦戦する可能性があります。

本番で初めてゼロから論文を考えるのではなく、事前に使える題材をいくつか準備し、設問に合わせて展開できるよう練習しておくことが重要です。

4.科目ごとに必要な対策が異なる

ITストラテジストでは、科目によって出題形式が大きく異なります。

大まかに分けると、

科目A=知識

科目B-1=読解・記述

科目B-2=論述

と考えることができます。

つまり、一つの勉強方法だけですべての科目を対策するのは難しいということです。

科目Aでは知識のインプットや問題演習、科目B-1では過去問を使った読解・記述練習、科目B-2では論文の題材準備と答案作成の練習が必要になります。

なお、一定の条件を満たす場合には科目A-1の免除制度を利用できます。

2026年度のCBT移行後も、従来の午前Ⅰ試験免除制度は「科目A-1試験免除制度」として継続されます。

対象となる場合は、科目A-1の学習負担を減らし、他の科目に時間を使うことができます。

IPA「CBT方式での実施について」

応用情報技術者試験より難しい?

ITストラテジストを検討する人の中には、応用情報技術者試験からステップアップしようと考えている方もいるでしょう。

両者は同じ情報処理技術者試験ですが、求められる能力には違いがあります。

応用情報技術者試験では、ITに関する幅広い知識と応用力が問われます。

一方、ITストラテジストでは、それらの知識を土台としながら、経営や事業の視点からIT戦略を考える力や、記述・論述する力がより重要になります。

特に大きな違いが、科目B-2の論述式試験です。

そのため、

「応用情報に合格できたから、同じ勉強方法を続ければITストラテジストにも合格できる」

とは考えない方がよいでしょう。

一方で、応用情報の学習で身につけたIT知識は、ITストラテジストを学ぶうえで有効な土台になります。

さらに、一定の条件を満たす応用情報技術者試験の合格者は、科目A-1の免除制度を利用できる場合があります。

応用情報から次の高度試験を検討している人にとって、ITストラテジストは有力な選択肢の一つといえるでしょう。

ITストラテジストの勉強時間はどのくらい?

ITストラテジストの勉強時間について調べると、「150~200時間」といった数字を目にすることがあります。

ただし、必要な勉強時間を一つの数字で断定することはできません。

IPAは、ITストラテジスト試験について標準的な勉強時間を公表していません。

一方、資格講座のスタディングでは、150~200時間程度で合格する人がいる一方で、1,000時間以上勉強する人もいると説明しています。

スタディング「ITストラテジストの勉強時間とは?」

必要な勉強時間にこれだけ差が出るのは、受験者の前提条件が大きく異なるためです。

例えば、

応用情報レベルのIT知識があるか

経営戦略やIT戦略に馴染みがあるか

記述式問題に慣れているか

論述問題を書いた経験があるか

科目A-1の免除を利用できるか

などによって、必要な学習量は変わります。

実際、スタディングが公開している合格者インタビューには、約200時間、3~4か月程度学習した事例もあります。

ただし、これはあくまで一人の合格事例であり、「200時間勉強すれば合格できる」という意味ではありません。

勉強時間については、数字だけを見るのではなく、

「自分はどの科目に時間を使う必要があるのか」

を考えることが重要です。

例えば、IT知識に自信がある人なら、科目Aの学習時間を抑えて科目B-1・B-2に時間を使えるかもしれません。

一方、論述経験が少ない人は、早い段階から科目B-2の答案作成に慣れておく必要があります。

必要な勉強時間の考え方や、働きながら勉強する場合の学習スケジュールについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ITストラテジストの勉強時間は?前提知識別の目安と勉強スケジュール

独学でも合格できる?

ITストラテジストは、独学でも合格を目指すことは可能です。

IPAでは過去の問題冊子や解答例、採点講評などを公開しているため、これらを使って対策できます。

特に科目Aでは、過去問を繰り返し解きながら知識を補強していく方法が取りやすいでしょう。

一方、科目B-1の記述や科目B-2の論述については、

「どのように答案を組み立てればよいのか分からない」

「自分の論文が試験で通用するのか判断しにくい」

と感じる人もいるかもしれません。

その場合は、市販の参考書や通信講座などを使って対策する方法もあります。

例えば、スタディングのITストラテジスト講座では、選択式問題だけでなく、記述・論述対策を含む講座が提供されています。

スマートフォンやタブレットでも学習できるため、まとまった勉強時間を確保しにくい人にとっては選択肢の一つになるでしょう。

スタディング「ITストラテジスト講座」

ただし、通信講座を利用すれば必ず合格できるわけではありません。

自分で学習計画を立てて進められる人は独学、記述・論述対策の進め方に不安がある人は講座も検討するなど、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

独学での具体的な学習順序や、科目別の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

ITストラテジストの勉強方法は?独学の進め方と3か月学習スケジュール

2026年度はCBT化にも注意

2026年度に受験する場合は、試験の難易度だけでなく、試験方式の変更についても確認しておきましょう。

2026年度から、ITストラテジストを含む高度試験はCBT方式で実施されます。

また、従来の、

午前Ⅰ

午前Ⅱ

午後Ⅰ

午後Ⅱ

という名称は、

科目A-1

科目A-2

科目B-1

科目B-2

へ変更されます。

IPAによると、科目名称の変更後も、各試験時間に変更はありません。

2026年度のITストラテジスト試験の日程は次のとおりです。

申込受付期間:2026年10月6日~10月24日

科目A-1・A-2試験:2026年10月17日~10月27日

科目B-1・B-2試験:2026年11月11日~11月23日

CBT方式への変更点や2026年度の日程について詳しく確認したい方は、「2026年度ITストラテジスト試験はどう変わる?CBT化・試験日程・変更点を解説」を参考にしてください。

2026年度ITストラテジスト試験の変更点

ITストラテジストはどんな人に向いている?

ITストラテジストは難易度の高い試験ですが、すべての人にとって同じ難しさというわけではありません。

例えば、次のような人は比較的学習を進めやすいでしょう。

・応用情報技術者試験などでITの基礎知識を身につけている人

・IT企画やシステム企画に関わっている人

・業務改善やプロジェクトに携わった経験がある人

・経営戦略や事業戦略に興味がある人

・文章を書くことに抵抗がない人

一方、IT知識がほとんどない状態からいきなりITストラテジストを目指す場合は、科目Aの知識習得も含めて学習量が多くなる可能性があります。

また、実務経験がなくても受験自体は可能ですが、科目B-2では論述に使う題材をどのように準備するかが一つの課題になります。

自分の現在の知識や経験を整理したうえで、どの科目に重点を置くべきかを考えることが重要です。

まとめ|ITストラテジストは難関だが、難しさを分解して対策しよう

ITストラテジストは、情報処理技術者試験の高度試験の一つで、直近3年間の合格率は15%台で推移しています。

難易度が高い理由は、単純にIT知識が難しいからだけではありません。

ITと経営の両方について考える必要があり、科目B-1では読解・記述力、科目B-2では論述力も求められます。

そのため、

科目A=知識

科目B-1=読解・記述

科目B-2=論述

と分けて考え、それぞれに合った対策を進めることが重要です。

また、必要な勉強時間には大きな個人差があります。

「合格には○○時間必要」という数字だけを見るのではなく、自分のIT知識、業務経験、記述・論述経験などを踏まえて学習計画を立てましょう。

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