ITストラテジスト試験を受験しようと思っても、
「何から勉強すればいい?」
「科目Aと科目Bはどちらから始める?」
「独学ならどんな順番で進めればいい?」
と迷う人も多いのではないでしょうか。
ITストラテジストは、単に知識を覚えるだけではなく、科目B-1の記述式問題や科目B-2の論述式問題への対策も必要です。
そのため、科目Aをすべて終わらせてから科目Bに進むよりも、早い段階から科目Bにも触れながら並行して学習する方が効率的です。
この記事では、2026年度のITストラテジスト試験を前提に、
・勉強を始める前にやること
・科目別の勉強方法
・独学でのおすすめ学習順序
・3か月で対策する場合のスケジュール
・勉強を効率化するポイント
を順番に解説します。
勉強時間そのものの目安について知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
ITストラテジストの勉強時間は?前提知識別の目安と勉強スケジュール
※本記事の試験制度に関する情報は、2026年8月時点のIPA公表情報をもとにしています。
ITストラテジストの勉強は何から始める?
最初にやるべきことは、参考書を最初のページから読むことではありません。
まずは試験全体の構造と過去問を確認することをおすすめします。
2026年度のITストラテジスト試験は、
・科目A-1:多肢選択式
・科目A-2:多肢選択式
・科目B-1:記述式
・科目B-2:論述式
という構成です。
科目ごとに求められる能力が違うため、最初に全体像を把握しておかないと、得意な知識問題ばかり勉強してしまう可能性があります。
まず一度、IPAが公開している過去問題を見て、
「科目Aはどれくらい解けそうか」
「科目B-1は問題文を読めそうか」
「科目B-2ではどの程度の論文を書く必要があるのか」
を確認してみましょう。
最初から解けなくても問題ありません。
目的は、自分がどこで苦戦しそうかを把握することです。
IPA「過去問題」
最初にやること
いきなり教材を読み込むのではなく、まず過去問を見て試験全体を把握する。
そのうえで、
・知識不足
・読解力
・記述力
・論述力
のどこに時間を使う必要があるかを判断すると、学習計画を立てやすくなります。
ITストラテジストのおすすめ勉強順序
効率よく進めるなら、次の順番を基本にするとよいでしょう。
- 試験制度と過去問を確認する
- 科目A-2を中心に知識を固める
- 科目B-1の問題に早めに触れる
- 科目B-2の論文ネタを準備する
- 科目Aの弱点を補強する
- 科目B-1・B-2を本番形式で演習する
重要なのは、科目B-2を最後まで残さないことです。
科目Aは知識のインプットと過去問演習を繰り返すことで改善しやすい一方、論述式のB-2は文章構成や事例準備にも時間がかかります。
そのため、科目Aを勉強している段階から、B-2にも少しずつ触れておく方が安全です。
科目A-1の勉強方法
科目A-1では、幅広いIT知識が問われます。
応用情報技術者試験や他の高度試験を勉強した経験がある人は、すべてを最初から学び直す必要はありません。
おすすめは、
・まず過去問を解く
・間違えた分野を確認する
・苦手なテーマだけ復習する
・もう一度過去問を解く
という流れです。
すでにある程度得点できる場合は、科目A-1に時間を使いすぎず、科目A-2や科目Bに時間を回しましょう。
また、一定の条件を満たしている場合は科目A-1の免除制度を利用できる場合があります。
2026年度のCBT移行後も、従来の午前Ⅰ免除制度は「科目A-1試験免除制度」として継続予定です。
IPA「ITストラテジスト試験」
科目A-2の勉強方法
科目A-2では、ITストラテジストに関連する専門知識が問われます。
経営戦略やIT戦略、システム戦略など、ITストラテジストらしいテーマが中心になるため、科目A-1より重点的に対策したい科目です。
勉強するときは、
・過去問を解く
・知らない用語を確認する
・正解以外の選択肢も確認する
・関連する知識まで広げる
という方法がおすすめです。
単純に正解番号を覚えるのではなく、
「なぜこの選択肢が正しいのか」
まで説明できる状態を目指しましょう。
科目B-1の勉強方法
科目B-1では、長い問題文を読んで設問に記述式で回答します。
ここで重要なのは、知識をたくさん書くことではありません。
問題文の中から設問に必要な情報を正確に拾うことが重要です。
おすすめの進め方は、
- まず時間を測らずに問題を解く
- 自分の回答を書く
- IPAの解答例を確認する
- 自分の回答と何が違ったか確認する
- 採点講評も読む
という流れです。
IPAは過去問題とあわせて採点講評も公開しています。
2025年度の採点講評を見ると、例えばB-1では、問題文中の情報を適切に捉えられていない回答について具体的に指摘されています。
単に「正解を覚える」のではなく、
「問題文のどの記述を使えば、この答えにたどり着くのか」
まで確認することが重要です。
IPA「2025年度 ITストラテジスト試験の問題・解答例・採点講評」
科目B-2の勉強方法
ITストラテジスト対策で特に早く始めたいのが科目B-2です。
科目B-2は論述式で、120分で2問のうち1問を選択して解答します。
2025年度のIPA採点講評では、B-2について、
・論述対象となる構想や計画の概要が適切でない
・システム規模や金額などに矛盾がある
・設問の趣旨から外れている
・自身の経験について具体性が乏しい
といった答案は評価が低くなることが示されています。
つまり、単に長い文章を書ければいいわけではありません。
設問に沿って、具体的で整合性のある事例を書く力が必要です。
勉強するときは、
・過去問のテーマを確認する
・自分が使いやすい事例を考える
・事例の背景や課題を整理する
・解決策と効果を整理する
・文章の構成を作る
・実際に論文を書く
という順番で進めましょう。
最初から120分で完成させる必要はありません。
まずは「どんな内容を書くか」を整理するところから始める方が取り組みやすいです。
B-2対策で意識したいこと
「使える論文を丸暗記する」というより、
・どんな企業・事業か
・どんな経営課題があるか
・なぜITが必要なのか
・どんな施策を提案したか
・どんな効果があったか
を一貫して説明できる事例を準備することが重要です。
なお、2026年度はCBT方式で実施されます。
IPAはCBT方式について、試験会場のパソコン画面で問題を読み、キーボードとマウスを使って解答すると案内しています。
そのため、B-2対策では、手書きだけでなくパソコンで文章を入力する練習もしておくとよいでしょう。
IPA「CBT方式での実施について」
3か月で勉強する場合の学習スケジュール
ここでは、すでに一定のIT基礎知識がある人が3か月で対策する場合の一例を紹介します。
なお、3か月あれば必ず合格できるという意味ではありません。
必要な勉強時間は人によって異なるので、自分の状況に合わせて調整してください。
ITストラテジストの勉強時間は?前提知識別の目安と勉強スケジュール
1~4週目|科目A-2+B-2の準備を始める
最初の1か月は、
・科目A-1の実力確認
・科目A-2の過去問
・科目B-1を数問解く
・科目B-2の過去問を読む
・B-2で使える事例候補を考える
ところまで進めます。
この段階では、科目B-2の論文を完璧に書く必要はありません。
まず「どのようなテーマが出るのか」を把握しておきましょう。
5~8週目|B-1とB-2を中心にする
2か月目からは、アウトプットの比重を増やします。
科目B-1では過去問演習を繰り返し、
・問題文の読み方
・設問の意図
・解答の作り方
を身につけます。
科目B-2では、自分の事例を使って論文の構成を作り、実際に文章を書き始めます。
科目Aは、間違えた問題の復習を中心にしましょう。
9~12週目|本番形式で仕上げる
最後の1か月は、本番を意識します。
・科目Aは弱点のみ復習
・科目B-1は時間を測って演習
・科目B-2は120分を意識して論文を書く
・CBTを想定してキーボード入力にも慣れる
という形で仕上げます。
この時期に新しい教材へ次々と手を広げるより、それまで使ってきた教材や過去問を繰り返す方が効率的です。
独学で勉強するときの教材の使い方
独学の場合、教材を増やしすぎないことも重要です。
基本的には、
・メインの参考書1冊
・過去問題
・IPAの解答例
・IPAの採点講評
を軸にして進めればよいでしょう。
特に科目B-1・B-2では、IPAの採点講評が参考になります。
「どのような回答が評価されにくいのか」が具体的に書かれているため、単に解答例だけを見るより試験の評価ポイントを理解しやすくなります。
IPA「過去問題」
通信講座を使うのも選択肢
独学で進められる人は、必ず通信講座を使う必要はありません。
ただし、
・何から勉強すればいいかわからない
・学習順序を考えるのが面倒
・B-2の論文対策に不安がある
・仕事が忙しく効率よく進めたい
という人は、通信講座を使う方法もあります。
例えばスタディングでは、ITストラテジスト向けのオンライン講座が提供されています。
スタディング「ITストラテジスト講座」
実際にスタディングのITストラテジスト講座を受講して感じたメリット・気になった点については、以下の記事で詳しくまとめています。
スタディング ITストラテジスト講座を受講中の感想|メリット・デメリットと向いている人を解説
スタディングの2026年度版講座は、2026年8月時点で科目Aから論述式までを対象としたコースが提供されています。
ただし、講座を使えば必ず合格できるわけではありません。
自分で計画を立てて進められるなら独学、学習順序や教材選びまでまとめて効率化したいなら通信講座、という考え方でよいでしょう。
2026年度受験者は試験日から逆算する
2026年度ITストラテジスト試験の申込受付期間は、2026年10月6日から10月24日です。
試験実施期間は、
・科目A-1・A-2:2026年10月17日~10月27日
・科目B-1・B-2:2026年11月11日~11月23日
とされています。
試験日を自分で選べるため、受験日を決めたらそこから逆算して学習計画を作りましょう。
IPA「スケジュール、手数料など」
また、現行試験制度は2026年度で終了し、2027年度から新試験制度へ移行する予定です。
2026年度の制度変更については、以下の記事で詳しく整理しています。
まとめ|ITストラテジストは科目Bを早めに始めよう
ITストラテジストの勉強では、科目Aの知識を固めるだけでは十分ではありません。
重要なのは、
・科目Aは過去問中心に効率よく対策する
・科目B-1は問題文から必要な情報を読み取る練習をする
・科目B-2は早い段階から事例準備と論文練習を始める
というように、科目ごとの特徴に合わせて学習することです。
特にB-2は、試験直前に知識を詰め込むだけでは対策しにくいため、早めに一度論文を書いてみることをおすすめします。
まず過去問を確認して、自分がどの科目で苦戦しそうなのかを把握しましょう。
ITストラテジストの難易度や合格率から確認したい人は、以下の記事も参考にしてください。
ITストラテジストの難易度は?合格率・勉強時間・難しい理由を解説
試験全体の概要を確認したい場合はこちらです。


